横浜市健康福祉局・各区福祉事務所への元警察官天下り配置の撤廃を求める
横浜市長 様
[請願趣旨]
2012年4月、横浜市は元警察官4人を「不正受給」対策を名目に、健康福祉局に天下り配置しました。当初は各区に計19人配置する方針であったものを、多くの反対の声に、健康福祉局留めにしたものですが、「不正受給」対策として各区に派遣することもあり、今後、増員する可能性もあるとしています。
困窮状態にある個人や家庭を支える、医療福祉の現場に関わる者として、私どもは、ここに深い違和感と強い憤りを表明し、福祉の場への元警察官天下りを速やかに撤廃することを求めるものです。
[請願理由]
1.生活保護受給者の増加は、誰が悪いのか。困窮者が悪いのか。国が悪いのか。
生活保護受給者は未曾有の210万人を超えようとしています。生活不安定な非正規雇用を40%にまで至らしめ、格差社会と大勢の困窮者を作り出した、経済施策の抜本的(根治的)な反省と改善もないまま、まるで問題は困窮者の「不正」にあるかのように、生活保護受給に圧力をかける場当たり的(姑息的)な対応をしても、生活保護受給者の増加は改善しません。
2.困窮者は社会保障の対象なのか、治安の対象なのか。福祉事務所は福祉の場なのか、治安の場なのか。
生活保護は、誰でも困窮に陥った時に、最低限の衣食住や医療などの文化的生活を営める権利であり、最底辺のセーフティネットのはずです。元警察官が入るとは、困窮者を潜在的犯罪者と見做すことです。困窮者の生活や健康を支える福祉的観点とは、本来相容れません。他市に先駆けて志高い福祉プロパーのワーカーのみが配置されてきた、横浜市の福祉事務所の美質を荒廃させ、治安の道具にしてしまい、ワーカーと相談者や周辺医療福祉機関との関係をかえって歪ませるものです。
3.困窮者が萎縮し、さらに衰弱死や孤立死が増えてしまう。
今も福祉事務所の敷居が高いため、痛ましい衰弱死や孤立死が後を絶ちません。「不正」を恫喝する元警察官が福祉事務所にいれば、困窮者は相談を抑えてしまい、市の狙い通り生活保護申請が減る傍らで、痛ましい事件が続発することでしょう。
4.「不正」とは何か。「不正」は元警察官だけが分かるのか、福祉職員には分からないというのか。
「不正受給」は生活保護費の0.4%未満で、悪質な「不正」は少なく、大部分はアルバイト収入の申告漏れ等の、少額の蓄積です。最近俄かに「不正」が出たのでも、元警察官だけが「不正」を見出せるのでもありません。露骨で悪質な「不正」は、従来も福祉職員の手で見出されてきましたし、告発すればよいだけです。厚労省は、生活保護で自立に充てる「就労収入積立制度」創設方針を一方で出しました。自立支援に欠き頭ごなしに「不正受給」とした問題を自ら認めたのです。元警察官配置の必然性も考え直されるべきです。困窮者の生活に寄り添う福祉的な眼差しでしか、「不正」の改善はできません。
5.警察官は天下りも良いのか。元警察官大量配置は費用対効果が良いのか。ワーカーは増やさないのか。
政府はそもそも「天下り根絶」を公約に掲げたはずです。警察官だけは天下り公認で良いのは一体なぜなのでしょうか。生活保護費は貴重な税金から賄われると、困窮者を恫喝する一方で、元警察官の大量の天下りは、無駄遣いではないのでしょうか。福祉事務所のワーカーは1人で100人以上という、基準に違背する数の生活保護受給者を担当し、忙殺されています。元警察官配置は撤廃し、細やかな対応のできるワーカーをその分増やし、相談対応の層を厚くするべきです。
[請願項目]
1、 横浜市は、健康福祉局や福祉事務所への、元警察官の天下り配置をやめること
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